看護師として様々な勤務先を経験してみて

新卒から大学病院で約8年間勤務し、その後は不安定な働き方をしてきました。美容クリニック、単発派遣での企業の健康診断やデイサービスでの業務、そして介護老人保健施設で働いてきて思うことを書きます。

総合病院でバリバリ働いてきたけど、そろそろゆるく働きたいなー。
育児でお休みしてたけど、そろそろ看護師復帰したいなー。
という方々に私の考えが少しでも参考になったら嬉しいです。

長いので各パートの読みたい部分だけ、どうぞ。

なーにゃ

なーにゃ

看護師としてのモチベーションが高いわけじゃない。
休みの日に自己学習したり、自費で研修に行ったり、し・な・い!でも仕事としては、きっちり、テキパキ働いている。

目次

総合病院を辞めることはオススメしない

最初に結論⇧。こんなタイトルを自分が発することに驚く。私が勤務していたのは大学病院ですが、違いがあるものの今回は総合病院と表現します。

「3年目(看護師として一応一人前とされる年数)が過ぎたら絶対辞める」と言いながら約8年間大学病院に勤めました。私は趣味の旅行にもっと時間を費やしたくて辞めました。

ある程度の年数を経験すると、仕事中に「はじめまして」の出来事に遭遇することが少なくなり、患者さんの急変対応にもオドオドしなくなるし、仕事に刺激がなくなりました。モチベーションが高いわけでもないので、専門的な資格をとることに興味も湧かず、惰性で続けている感じ。

毎年開催される必須の院内研修も、「また同じー。内容全部わかってますー」という気持ちで参加。

しかし、今となってはすごくありがたい環境だったと思います。あくまで私の経験上でのお話ですが、そもそも研修をしっかりやってくれる職場は少ない。規模が小さくなればなるほど、その傾向は強い。教え方も「見て覚えて」と言われ、職人ですか?というやり方です。

大学病院を去ってから感じるメリットは

教育システム・評価システムが構築されている。

新卒・中途採用ともに、すでに一貫した教育システムがあるため、一緒に働く看護師は一定の知識、スキルがあり。簡単に言うと、同じ常識で働ける。先ほど述べたように、必須研修があるので定期的に基本的な医療知識が叩き込まれます。

評価システムに関しても、上司がきちんと評価しそれがお給料に反映されるシステムがある。

年度のはじめころ、自己評価チェックシートに、短期・長期目標を設定し提出します。半年~年度末に自己評価チェックシートで、自分が立てた目標が達成できていたか自己評価します。そして様々なチェック項目があるので、それに対し自分ができたかどうかを評価し、上司に提出します。上司の評価はどうだったか自分でも確認することができ、それを見ながら上司と面談をしていました。その面談の際には、仕事上の悩みがないか、健康上の不安はないか、きちんと聞いてくれます。
私が経験した面談は緊張感を持って臨まなくてはいけないようなピリピリしたものではなく、安心してプライベートや自分の考えを話せ、信頼できる上司たちに恵まれていたと思います。

この自己評価チェックシートだけが、直接お給料やボーナスアップに繋がるわけではありませんが、少なくとも、上司が自分をどう評価してくれているのかを確認できる機会がありました。

美容クリニックでの仕事

パート・アルバイトでの主な仕事内容は、スキンケアに関する業務でした。

脱毛の機器、お肌のハリをアップさせる機器、しみに効果的なレーザーの機器等を操作する施術や、ニキビなどの肌トラブルに対するケミカルピーリングの施術を担当しました。それらに関する施術前後の注意事項の説明や、服薬の説明をお客様にします。

時々、二重の埋没法やヒアルロン酸注射の介助に入ることもありましが、それより大きな施術や手術は正社員が担当していました。正社員の看護師の補助として、業務に入ることはあります。

またカウンセリング、施術の方針等も、医師、正社員の看護師、管理者で方向性を決定していくので、パート・アルバイトは指示された通りの施術をせっせとこなしていきます。

大手の美容クリニックでは、きちんとした教育システムや評価方法が構築されていると思いますが、私が勤務していた個人の美容クリニックは教育システムや評価方法は存在しませんでした。

フルタイムのパートとして働ける、ということで勤務開始したのに、蓋を開けてみれば、お客様の予約がない日は4時間ほどで「もう今日は帰っていいよ」と言われてしまいました。そんなことが続いたので労働基準監督署に通告しました。

3ヶ月以上経過しても、研修期間のままの時給で、いつになったら時給が上がるのか、どんな基準で研修期間が修了するのかも知らされないまましばらく働いていました。

質問しても「まだ研修期間を修了する時間数働いていない」という返答。
⇒私は働きたくても、予約がないと帰らされるので、いつになっても研修期間修了の時間を満たさない。研修期間修了の時間数も教えてもらえない。評価システムなんてものは存在しませんね。

「まだ技術を習得できていないから」
⇒どんな技術を習得する必要があるのかを示されない。例えば、【●●の手術の介助ができる】のなら、そこまで到達するステップも示されていなし、その日のにどの業務を担当するのかも社長が決めていたので、全ては社長の裁量次第で、私を永遠に研修期間のままの時給で働かすことができる。

教育システムも存在していません。
今思い出してもブラックな職場。こんな職場は稀だと思いますが、私の研修期間が修了したのは、入職してから1年後のことで、私が労働基準監督署に通い始めたからです。

美容クリニックで働くと、練習として無料で施術が受けられたり、社割で施術が受けられることを期待する方が多いと思います。少なからず、美容クリニックで働くメリットですよね。

私も練習台で施術を受けることができたこともありますが、この職場ではそれも全て社長の気分次第です。一緒に働いていた看護師の中には、練習でも一度も体験させてもらったことがない、という方もいました。

私はあまり利用しませんでしたが、社割での施術、社割で購入できるスキンケア用品に関しても、社内で利用者が増えると、知らない間にどんどん値上げされていました。

入職してみないとわからない実態です。

単発派遣での仕事内容

単発の派遣で引き受けた仕事は以下の内容でした。

企業での健康診断は、受付、血圧測定、視力検査、聴力検査、身体計測を経験しました。
採血や、心電図の測定は主に直接雇用の職員が担っていました。健康診断は1回で2週間程度、同じ企業で続けます。そのうちの数日~全日程で自分の都合の良い日に出勤するわけですが、通常「今日は受付担当で」と、当日に役割を割り振られます。役割を割り振られた後、業務の進め方を簡単に説明される程度なので、不安になりますが、1日中同じ業務をすることになるので、初めての業務でも、すぐに慣れることができます。近くに直接雇用のスタッフが配置されているので、わからない時はすぐに質問できる環境でした。

デイサービスの仕事では、デイサービスは看護師がいないと運営できないので、「はじめまして」の場合は「看護師を配置できれば十分」という雰囲気で、あまり仕事ぶりは期待されませんでした。数回同じ派遣先で、他スタッフとも顔見知りになると徐々に頼りにされてきたな、ということを実感しました。

派遣に登録する際に「デイサービスでの業務はこんな感じです」と説明を受けますが、それもすごく簡単なものでした。
 実際の流れとしては、利用者が来たらバイタル測定をし、すぐに入浴タイムになるので、職員に呼ばれたら創部の処置をします。この創部の処置では何を塗って、何で保護する、と決まっている通りにするだけ。あとは湿布を貼ったりする程度の簡単な処置です。人手が足りなかったり、私の手が空いている時は、衣服の着脱介助にも入りました。
 そうしているうちにすぐにお昼になるので、血糖測定や、インスリン注射があれば実施し、配膳をして、内服を配って、下膳をし私もお昼の休憩に入ります。
 午後は利用者の運動やレクの時間です。レクで一緒にカラオケを楽しむこともありましたが、看護師はレクの時間に記録をすることが多く、施設によって記録内容は様々ですが、今日の様子、昼食の食事量、お風呂でどんな処置をしたか等を記載します。
 
ある施設では1時間の運動を任されたことがありました。「1時間どうやって時間をつかったらいいの!!」と初日は頭が真っ白になりましたが、そんな経験がなくても、慣れればできます。施設に運動のマニュアルがあったり、カラオケの機械に運動の曲が入っているので、それを組み合わせながらなんとか過ごしました。数回経験すると、自分も楽しくなってきて自分のヨガの経験を取り入れたりして「次はこれをやってみようかな♪」という気持ちになりました。この1時間の間に他の介護職員さんたちは記録をしたり、お掃除をしたりしていました。
 
 お風呂の処置の合間に機能訓練の見守りをすることもあり、ボーっとする時間はなく、1日があっという間に終わります。

内科クリニックでの仕事は私は1度しか経験がありません。診療にきた方の採血をひたすらする。診療時間が終了したらクリニックのお掃除。以上。

単発派遣の仕事のまとめ

各仕事「こんな簡単な説明なの?!」と毎回驚きますが、大丈夫です。あなたにもできます。数回経験していくと、はじめましての派遣先(職場)でも、物怖じせず働くことができるようになります。各派遣先で急変対応に遭遇したことはありません。

私の感想では、仕事内容に対しての時給は良い方だと思います。単発の派遣だけで、一人暮らしを維持していくことは難しいですが、副業としてや、看護師から少し離れていたけど、復帰してみようかな、という方には気軽に始めることができる仕事だと思います。

基本的なスキル、判断力が必要ですが、復帰を考えている方は、少しずつ思い出しながらできる仕事内容です。しかし、単発の派遣でスキルアップを目指すのは難しいです。

私が単発の派遣を辞めた理由は、時間を無駄にしているように感じたからです。毎回「はじめまして」の場所で働くことに抵抗はありませんが、通勤がストレスになりました。遅刻してはいけない、というプレッシャー。はじめて行く場所は朝の通勤ラッシュの想定ができないため、すごく早く自宅を出発することが多々あり、交通費は支給されるとは言っても、通勤時間を含めて、拘束時間を時給換算したら割りに合わない、と感じるようになりました。自宅付近の派遣先や通いなれた場所にしか行かないと決めて、副業やバイト感覚で仕事をするのならば気にならないかもしれません。稼ぎたいと思ったら、その勤務先の募集があるとは限らないので難しいです。

短期派遣で高齢者施設での仕事

短期派遣で2ヶ月契約後、1ヶ月毎に更新し、計6カ月勤務したのち、直接雇用となりました。通常は2~3ヶ月毎の更新ですが、派遣会社と派遣先が了承してくれれば、1ヶ月更新も可能なので交渉次第です。

私がお世話になったのはコチラ⇓

私が勤務していたのは人手不足の介護老人保健施設です。こちらもこんな不安定な職場は稀かと思いますが、派遣期間を含め計3年ほどこの職場にいますが、施設長である医者が3回変わりました。3番目の施設長は40代で若かったこともあり、現代の医療の考えでしたが、それ以外はご高齢の医師で昭和のままの医療でした。利用者のことは全く把握しておらず、病態とちぐはぐな指示を出されることが多々あり、それを看護師がそっと軌道修正の依頼をする…気楽に働けるようで、ある意味では病院よりも判断力を求められます。総合病院で培った医療知識は何だったのか?と思うほど、施設には施設の常識があり、何が正しいのか、何が尊厳なのかわからなくなります。そんな葛藤と闘いながら勤務する職場です。私の勤務する施設だけでなく、私のお友達たちの話をきいてもそんな感じ。

例えば…

ストーマ交換は面板をリムーバーで丁寧に剥がし泡で洗浄後、しわを伸ばしながら貼り付ける⇒お風呂では洗うが、急に漏れたら、ピリッと剥がしピタッと張り付けて終わり。だいたい皮膚トラブルあり。そんなん皮膚トラブル改善しないよ。リムーバーどこ?「そんなのない」
吸引のカテーテルは毎回交換で使い捨て⇒1日1本
経管栄養カテーテルは毎日交換⇒2週間に1本
「先生、この方の足、蜂窩織炎っぽいです」『切りましょう。イソジン消毒だして』まだ見てもないのにいきなり切る?えーーー切る?!抗生剤投与とか…しない??
利用者の状態悪化時、逐一家族に電話連絡(医師、看護師問わず)⇒医師電話してくれない、看護師任せ、看護師が電話しようとすると勝手なことしないで、ケアマネに怒られる。入院や受診を希望されると施設の利用者数が減って施設の運営に関わる、だと。大切なのは本人と家族の意思では?誠実さとは?

こんなことが日常茶飯事です。利用者家族側からすると、【医師も看護師もいる施設】ということで、病院と同じようなケアができると期待されがちですが、施設側から説明不足なためそのギャップは埋まらない。肺炎になっても病院では何種類も抗生剤があるけど、ここには1つしかない。効かなかったら終わり。酸素投与ができると言っても、病院ではインスピロン15Lで投与できるけど施設では最大5Lです。それでもこの施設で、できることをしますか?と言って、家族が「高齢だから穏やかに。施設でできることで充分です」という言うのならいい。病院の常識を施設に持ち出しても無駄です。私も最初はオカシイことにオカシイと伝え続けてきましたが、何も変わらず諦めました。新しく入職するスタッフも始めは同様に訴えますが、諦めて辞めるか、心を無にして働くか。

お金を稼ぐためだと割り切って働くのならいいかもしれない。スキルアップはないし、医療知識は自己学習しない限り退行します。病院なら何かあれば頼れる医者がいてすぐに助けてくれるが、施設(この職場に限り?)はどちらかといえば看護師主体です。

高齢者施設では、介護職員の方々とも一緒に働きます。資格を持った介護福祉士さん、資格はないけど経験豊富な介護士さん、まったくはじめてでこの業界に飛び込んだ介護士さん。総合病院で感じる「同じ常識で働くことができる」という感覚は皆無です。感染対策ひとつとってもそもそも清潔・不潔の概念がない。利用者に対するケアを統一することも難しいのが現実です。

では、研修したらいいんじゃない?と思いますが、大きな施設ではない限り、教育プログラム、研修システムはありません。私の施設は慢性的な人手不足で、評価システムもないし、そもそもそれを担う管理職不在です。3番目の40代の施設長が就任した際に、バラバラな基本給を正しく評価し見直そうという動きも出ていましたが、様々問題があり、諦めて退職されました。今もそのままです。高齢者施設では母体が昭和気質の病院であれば、ここまで酷くないにしろ、似たような状況が見受けられると思います。パワーバランスが施設長<母体なので、改革は難しいでしょう。

メリットを挙げるとすれば、残業はほぼ少なく、定時で帰ることができる。基本的な医療知識とスキル、判断力があれば働くことができる。総合病院での「救える命は救う!」という緊迫感はない。

まとめ

いかがでしたか?看護師としてのモチベーションが高くない私でも、もし1ヶ月単位のお休みが取れるのなら、喜んで総合病院に戻ります。「救える命は救う!」「治ることを信じて治療をしている患者さんと向き合う」という緊迫感、精神的な負荷はありますが、「成長してないなー」と感じていても、常に最先端の医療知識に触れ、スキルが得られる環境にいたのです。面倒だった毎年必須の研修も改訂があれば、新しい内容を盛り込んで提供してくれていたのです。成長していない、と感じても日々の勤務でたくさんのことが自然と身についていたのです。

「総合病院を辞めたいなー」と思っているアナタ、お給料、福利厚生をとってもやはり大きな総合病院に勝るものはありません。自分の体調を犠牲にしてまで働くことはないので、病んでしまう状況にいるのなら別ですが、惰性でも、モチベーションが低くても、まだ総合病院で続けられる体力があるのなら、そこで頑張って欲しいと思います。

これから復帰を考えている方は単発の派遣からウォーミンアップを開始してもいいかもしれません。フルで働くのであれば、2~3ヶ月の紹介予定派遣を利用したら、その職場の雰囲気を掴むことができるので、数カ所見てみてもいいかもしれません。過去に総合病院でバリバリ働いていて、いずれ戻りたいと思っているのなら、単発の派遣や高齢者施設は物足りなさを感じそうなので、最初から総合病院への復帰の道を選択した方が私はいいと思います(●´ω`●)

私みたいに仕事を休んでフラフラしたい人がいたら、いい働き方をぜひ私に教えてください!やりがいもあって、お給料も十分あって、自由に休める働き方を模索中です。

アルバイトや派遣で白衣が必要な時は⇓

その他に、ナースリーやアンファミエで購入しています。

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この記事を書いた人

ブログのタイトル通り、食べること、旅すること、波乗りが好きな、なーにゃ(30代・独身)です。看護師(週休3日制)、趣味を充実させる生き方模索中。詳しくは【自己紹介】記事に書いています。

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